ある元栃木の工業人.jp

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東京の地下鉄路線の3Dマップを作った話(リメイク記事)

この記事は2009/10に作成した
東京地下鉄深さ3Dマップ」 ある元栃木の工業人.jp (旧:常人には到底理解出来ないブログ)
のリメイク記事です。
Yahoo blogのサービス終了に伴い、記事を移植しました。
 
地下鉄の路線というのは、乗車している分にはあまり感じないが、実は凄まじいアップダウンがある。それは例えば他の路線を跨ぐためであったり、河川を潜るためであったり、あるいは駅のホームによる制限だとか、はたまた対核兵器用シェルターのため、などと云われることもある。それらは大都会の地下を編むように張り巡り、さながらニューロンのように1つの巨大なネットワークを構築している。
 
地理、土木、都市形成についてニッチに語り合うブラタモリNHK)が人気となる昨今において、人々が大都会東京の地下鉄はどうなってるんだ?見てみたい!という気持ちを抱くのも当然である。その潮流の中において、2018年のはじめに誕生したのが『東京地下鉄立体線路 東京メトロ編』(バンダイ)というカプセルトイである。
 
(また前置きが長いぞ)

 

 

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ガチャポンひとつ300円というのは高いなぁと思うけれど、9路線を1つに混合するのではなく、前編と後編の2つ、それぞれ4路線と5路線に分けてるあたり、集めてほしいという担当者の良心が垣間見える。これは許される。
 
ちなみに筆者もちょうど地元で見つけたので、ガチャポンを一回試してみた。筆者の狙い目は千代田線と有楽町線。突出して路線長も長く、ダイナミックなアップダウンをする路線だ。…とはいえ丸の内線も捨てがたいなぁ…などと想いながらガチャを回したところ、なんと一発目で有楽町線を引いた。これはミラクル。訝しげに眺めるオカンの前でせこせこ組み立てていたが、そりゃ他人から見たらヒモQで遊んでいるようにしか見えんよな。
 
 

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一発目で有楽町線を引いたので満足。もし次があるなら千代田線を狙いたい。
 
 
そんなこんなでガチャポンの立体地下鉄路線図がTLを賑わせているなか、次のようなコラムを発見した。
 
 
東京地下鉄立体路線図をARでつくってみた」 川島優志 2018/05/07
 

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僭越ながら要約すると、息子さんに前出のカプセルトイを買ってあげたいが場所がないでしょと奥さんに怒られたので場所を取らないARで作ってしまおう、というお父さんの奮闘記録である。むむ、この息子さんきっと賢くなる。
 
記事をサラサラと見てみると、氏が自身で3Dデータを作成して、ARに投影したそうな。面白い。
 
 

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リンクポチー
 
 

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それわしやないか~い
 
 
というような経緯があり、このモデルについて約10年ぶりに記事をリメイクすることになったのでした。
 

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Tokyo subway depthmap Ⅱ
 
2009年に以下の3つの3Dモデルを作成しました。
 
1,Tokyo subway depthmap
2,Tokyo subway depthmap Ⅱ
3,東京地下鉄立体マップ(データ版)
 
1 は各路線のデータをフォルダー分けするなど、GoogleEarthでの閲覧を目的としたもの。2 は各路線をカラフルなチューブ状で表現したもので、GoogleEarthでの閲覧を目的としたもの。 3 は 1 と 2 で使用したSketchUp用の素データとなっています。
 
すべて3D WareHouseにて公開しているもので、ダウンロードデータはSketchup用のskpファイルと、GoogleEarth用のkmlファイルです。ただし、Tokyo subway depthmapに関してはGoogleEarthでの表示用であるので、KMLファイルでの閲覧を推奨しています。
 
 

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Tokyo subway depthmap
 
これらの3Dモデルはその根本として、東京の地下鉄を3Dで見れたら面白いだろうなという興味と、ネット上にも殆ど情報のない砂漠の状態をなんとかしようという無償の愛によって成り立っています(マジ)。
 
従って、この理念に適った利用においては自由に使用して戴いて構いません(一次データの転売はNG)。また、何かしらコンテンツに使用した場合は一報頂けると筆者が喜びます。
 
あと金銭が関わる恐れのある場合には、気軽にご相談ください。(3Dデータをそのまま転売しようとする馬鹿者も居りましたのでその点慎重なのはご理解ください)
 
 

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東京地下鉄立体マップ(データ版)
 
ちなみに、どのようにして作成したかに関しては以下に詳しいです。
東京地下鉄の深さ」 Kazu.の倉庫
(これも黒歴史になりつつある)
 
基本的な標高データは 「日本鉄道旅行地図帳 5号 東京―全線・全駅・全廃線 (5) 」 新潮「旅」ムック に記載されていた、地下鉄駅の深さ情報を元にしています。そこからGoogleEarth上の各駅の地上口標高情報を加味して地下/地上ホームの標高値に変換し、垂直方向への拡大を加えてアップダウンを誇張した上で各点を線形補間、最後に頂点を円弧補間してなめらかな曲線としています。従って、駅から駅の間は情報がないということと、円弧補間による情報の欠落が存在していますのでご留意願います。要は、前述の理念の通り厳密性を求めていないモデルになります。
 
二回目ですが、偉大なる情報源様です。買う価値あります。宜しくおねがいします(アフィじゃないです)。

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情報源は神様です。大切にしましょう。
 

 
 
そもそもどうして10年前の筆者はこの3Dモデルを作ろうと思ったのだろうか。そのきっかけに関しては未だに思い出せていないのだが、前述のカプセルトイ、「東京地下鉄立体線路」のバンダイ担当者は次のように発言している。
 
「『東京地下鉄立体線路 東京メトロ編』の企画は今から10年ほど前、『もしこんな商品があったら自分がほしいだろうなと思うもの』として発案したものです」
ねとらぼ - 「謎のアート」「血管みたい」 東京メトロ路線図を高低差まで表現したガチャ、なぜ生まれたか
 
10年ほど前、という点において、筆者が作りたいと思い始めた時期に不思議と重なっている。もしかするとこの頃に地下鉄の立体形状に関して、何かテレビの特集でもあったのだろうか?はたまた立体化した模型を作った人でも居たのだろうか?
 
いずれにせよ、10年の月日を経て、ついに時代が我々に追いついた訳である。
 
 
バンダイの担当者、友だちになろう。
 
 
それでは今回はこのへんで。