ある元栃木の工業人.jp

電子工作、機械設計、ロボットなどのモノづくりから宇都宮まで色々 ※2021:画像消失につき、c.yimgからマイニング&整備中

福島第一原発3号機 youtubeの爆発映像にある3度の爆発音の検証

f:id:kazu_souri:20210131223337g:plain

知ってる方も多いが、ここ最近、ある動画の福島第一原発三号炉での爆発時の""に関して、少し物議をかもしている。

まぁ、まずはこれを見ていただければ

Fukushima I Nuclear Power Plant Reactor 3 explosion on March 14, 2011 -youtube
権利者により削除されました。
他のユーザによる転載動画
Fukushima I Nuclear Power Plant Reactor 3 explosion on March.flv -youtube

<この話題は確実な結論が出ました。多忙な人はこの記事の最後の文章まで飛ばしてください>

暇な人はゆっくり上から読んでいってください。


これはようつべの動画で、パっと見てABCやCNNなどのアメリカ系放送局の映像に思われる。

これのなにがアレかといいますと、日本のTVでは音声がないんですね。
そして3回の爆発音が聞き取れると思います。

政府の公式見解では、建屋内部に溜まった水素の爆発だと言う事ですが、3回も爆発音がするのは、建屋だけでなく同時に格納容器まで爆発しているのではという憶測が出てきたんですね。さらに日本メディアが音が無い映像だったということで、さらに疑惑に拍車がかかったようです。

ブログ主は今現在、この映像の音声は編集されているか、まったく別物なんじゃないかと思っているんですよ。

その理由として、

 
 
[その1、不自然なほどの等間隔]
 

f:id:kazu_souri:20210131223346j:plain

まず音を分析してみると、
1回目と2回目の爆発音の差が1.97秒(目視)
2回目と3回目の爆発音の差が1.95秒(目視)
となって、ほぼ正確に2秒ごとに音が出てるんですね。

まるでビルの発破工事を行っているかのように。

これは少し不自然ですよね。



 
 
[その2、地形の影響の可能性]
 

もうひとつは、水素が爆発したのは14日ですから、既に20km避難指示が出ていますね。

とすると原発煙突が均等な距離に見える角度と地形を考慮した上で、撮影ポイントは、屹兎屋山付近ではないかと推測することができます。下図の水色♯は手前の山によって不可視地域です。
<追追追記>

撮影地点は17km離れた山中の電波塔とのこと(詳細後記)

f:id:kazu_souri:20210131223405j:plain

とすると約26kmは離れている事になります。
→正確には17kmとのこと(詳細後記)


この地点間の地形ですが、福島原発周辺は平野ですが、半分以上は山間部と言っていいでしょう。

f:id:kazu_souri:20210131223417j:plain

とすると、不自然に規則的な3つの爆発音が実際に聞こえていたとしても、反響している可能性もある。

 
 
[その3、音速を超えた爆発音の到達]
 

そして最後に、
Youtubeの映像を見ると、爆発した映像から、約2秒後に爆発音がする。
音速はだいたい340m/sですから、単純計算で原発から撮影(録音)距離まで680mしか離れていないことになります。しかし前述したように、その時には既に半径10kmどころか20km以内の避難命令が出ています。映像もそんな近くで撮っているとは思えません。(映像の左右の煙突間の距離が約400m)
20kmだと、最低でも約59秒もの時間をかけて音が届かなくてはおかしい。
屹兎屋山であれば、1分17秒近く時間が経たなくては音は届きません
そもそも動画も十数秒しかないので、エンコードによる音ズレの可能性はありえません。


以上のことを検証して踏まえた上で、ブログ主はこの映像の音声(3回爆発音含む)がそのままの本物である可能性は低いと考えています。


なんか最後の理由だけで十分な根拠になりましたね。ただ、有り得ることは、例えばTVの撮影者が避難地域内で撮影しているだとか、音声マイクだけ原発から680mの地点にあるか。
それを除けばまぁ確実に編集はしていると思われる。

追記3/22:この映像を撮影した日本テレビの関係者が撮影場所は20km以上離れていると明言しています。

追追追記 2/25:上の追記の関係者の証言は間違いっぽいです。(どゆこと…)
 

以上

 

 

<追追記 8/23 :結論>
当記事コメントの方からの情報によりますと、この動画は確実に編集を行っている事が分かりました。
福島中央テレビ-twitterより引用

原発の爆発映像は情報カメラですので、音は記録していません。
音ありはすべて勝手に加工されたものです。弊社では一切音は加えていません。」

とのこと。
よって、放送局からのオリジナル映像には音の記録は存在しないと言う事が分かりました。たとえ福島中央テレビさんが嘘を言う可能性が否定出来なくても、前述した検証事実を踏まえれば、この動画の爆発音は捏造・デマであると考えるのが妥当でしょう。つまり誰かが音声を加えたと言う事になります。

追記:このツイート後、元動画並びにその転載動画が削除され始めました。これを隠蔽だと批判する方も多く見かけます。しかし正しい情報を発信する事を望むのであれば、発信者・視聴者双方にとって削除されるべきであると思いませんか。それでも批判する方は、ただ騒ぎたいだけの人ではないでしょうか。ちなみにドイツの削除された動画に使用されてたのはこの音付きです。
※元動画とは上記の音付き動画に限ります

このようなデマ(もしくはデマ拡散者)は本気で原発をなくそうと取り組んでる人の邪魔になり、既存メディアに「ネットは危険な存在だ」という口実を与えてしまいます。結果、ネット規制やむなしの自業自得です。

ただ、今は日本語の他、英文翻訳もして既に外国の人にも爆発音が偽物だという情報が広まっています。


ブログ主は、編集者のだいたいの見当がついてます。
まず、「SkyNews UK」にはこの動画と同じシーンは見つかりませんでした。
(ていうか後半の映像はNine News Australiaらしいですね)
そして、YouTubeにある他ユーザの転載を含めた全てのこの「3度の爆発の音付きの映像」には、確実にあるYouTubeユーザ名が書かれています。そしてそれはこの動画を最初に投稿したユーザの名前です。

以上です。
 

<追追追記 2/25: 撮影地点について>
原発爆発」映像を撮影したのは福島中央テレビ(FCT)だ。FCTが福島第一原発から南西17キロの山中にある中継塔にカメラを設置したのは2000年のことである。
原発爆発」映像が呼び覚ます「3.11」の実相 - https://bee-media.co.jp/archives/2801
 
以上の話に鑑みますと、屹兎屋山付近ではなく、その手前の山中から撮影したようです。テレビの中継塔ということで、総務省の電波系の情報を探してみたところ、楢葉町の山中、正確には萩塚山と郭公山を結ぶ峰の中間地点に、原発からおよそ17km離れた位置にあるテレビ中継塔が存在することが分かりました。
 

f:id:kazu_souri:20210131223451j:plain

そこからの原発の見え方は、映像と合致しているように思います。
 

f:id:kazu_souri:20210131223508j:plain

以上より、撮影ポイントは
楢葉町の萩塚山と郭公山の中間地点、およそ標高700mの峰にあるテレビ中継塔
と考えられますので、その点について訂正いたします。
 
(…しかしそうなると、「追記3/22:この映像を撮影した日本テレビの関係者が撮影場所は20km以上離れていると明言しています。」の部分がウソになってしまうのだが…)