ノートPCのオーバーホール(分解清掃) [VAIO TypeS VGN-SZ53B]
私の使っている ノートPC [VAIO VGN-SZ53B] は、購入してから既に4年以上経っています。買った当時はWindows Vistaが出始め、Intel core2 duoが最盛期でした。
ちなみに今のスペックは
CPU : intel core2 duo 1.66GHz
GPU : NVIDIA Ge Force go 7600 (vaioモデル)
メモリ : 1.5Gb
HDD : 60Gb
当時はこの性能で十分足りていました。しかし4年以上経つと、徐々に環境に適応できなくなってきました。特にグラフィックは酷い物で、最近はYoutubeをまともに見れない程になってしまいました。さらにPCファンの油切れや摩耗による騒音や振動が時々酷くなり、まともに使えなくなっていました。
CPUやGPUなどの基幹部品は買い替える以外にどうしようもないので、せめてPCファンの振動騒音だけでも解決しようと思いました。実は以前から、CPUファンの騒音と振動が大きくなる時だけ、さらにグラフィックやCPUの動作が遅くなっているようでした。そしてファンの隙間から軸へミシンオイルを流したりしましたが効果が出ず、仕方ないので思い切ってオーバーホール(機械部品をバラバラに分解して一つ一つ清掃して組み立て直す事。車のエンジンなどで行われる)を実行しました。
工具
精密ドライバー #1・#0 (マイナスドライバー1mmや1.2mmもあるといい)
カッター (テープが張られたコネクタを取る時に使います)
ラジオペンチ (端子を引っこ抜く時に使ったり)
ピンセット
材料
CPUシリコングリス (熱伝導を良くするための専用のグリス)
グリース (普通の油) [万能グリース エーゼット社]
ミシンオイル
ビニールテープ (配線を留めるのに使います)
参照
VGN-SZ series service manual 分解マニュアル
http://tim.id.au/laptops/sony/vgn-sz.pdf [pdf]
印刷しておきましょう。基本的にこの手順で行います。
注意
バックアップも取っておくといいでしょう
ネジをそれぞれ管理する
コネクタを傷つけないようにね
無理矢理は厳禁
空気乾燥させて静電気発生させないように
これ見て分解してPCぶっ壊しても私は責任は取りません。自己責任で
以下、分解マニュアルの手順で写真とともにお届け (ある程度割愛。分解マニュアルを見て行ってください)
これがVGN-SZ53Bです。当時20万くらいでした(´・ω・`)
始める前にバッテリーや電源を抜いて数分置いときます(根拠なし)。
背面のネジを外し、CPUのヒートパイプとシンクを外します。メモリも取っておくといいかも
背面の奥の方にあるネジを外し、キーボードをひっくり返します。マグネシウム合金の筺体が出てきました。
パームレスト(タッチパッドの部分)を外します
HDDやDVDドライブが見えてきました
intelのPROWireless。その名の通りワイヤレスネットワークの部品です。ソフト面で初期不良があり、この前アップデートしたところ何度も接続が切れる異常がなくなりました
PCのモニタも外します
マグネシウム合金の筺体です。マグネシウムと言えば燃やすと強烈な光を発する事で有名ですが、材料として軽く熱伝導性も良いのでアルミニウムや亜鉛などで欠点をカバーしたマグネシウム合金が使われています
HDDを取り、ANLboard(キーボードとモニタの間の操作基盤)を外してこんな状態です。
目的のCPUファンは最後の最後にやっと取り出せます。まずDVDドライブを外します
ちなみに左に見える注射器は安物のCPUシリコングリスです
さて、マザボを外しましょうか
↓ヒートパイプがあるのはGPUですね。パイプの先はGPU側シンクがあります
↓中央にintelのチップセット。右上に目的のファン。左上のはCPUです。下にはメモリスロット二つ
http://farm8.staticflickr.com/7157/6445050823_13f7f7264d_z.jpg
マザボが無くなって・・・
俺のPCがMacBookAirに・・・
ファンはプラスチックの熱処理で留められてるので、カッターか何かで削って上手く外します
結構汚れてますね。
羽を外して水洗いし、大きなホコリを落とし、油も取っておきます。その後乾燥。
軸にグリースを塗った後に試運転。どうやらグリスだけでは粘度が高過ぎるようなのでミシンオイルを加えました。このモータはPC本体からのパルスで制御するのではなく、直流5V以内300mAを送電し、モータ内部の回路でステップ制御を行うようです。
ならし運転です。2時間ほど動作させ、問題がないかどうかも確かめました。
ヒートシンクの方も洗います。水をシュッシュッとするアレの水流を細くしてシンクに当てると結構綺麗にホコリが落ちます。このパソコンにはCPU側とGPU側の大小のシンクが2つあります。CPU側のシンクはよくホコリを取り除いていたのですが、もう一方のGPU側のシンクを全く気にしていませんでした。GPU側シンクのBef and Aft フェルト状態・・・これは冷えないわけだ・・・。綺麗に洗浄しました。こうやって塞がると、排気が逃げるように他の隙間に入り込み、PC内部にホコリが溜まって行くようです。おかげでファン周辺が埃だらけ
机の上の状況。ネジはしっかり管理しましょう
CPU側シンクを付けるとこうなります。狭い部分の構造って芸術的ですよね。機能美が輝きます。
D-sub等のI/O部分やその他部品を清掃した後、今までとは逆の工程で組み立てます
もともとあった配線の黒い固定用テープは一度剥がすとくっつきませんので、ビニールテープで代用します
コネクタの接続忘れやネジ留め忘れに注意して組み立てていき、CPUのシリコングリスを塗り直して取りつけ (この取り付け方法が重要。知らなければ検索)、メモリを付け、背面のフタを閉めます。
おめでたい事にネジは余りませんでした!万歳!
最後に正常な起動と動作、PCファンの動作を確認します。
現在はファンの音がものすごく静かになりました。いいですねぇ
そしてグラフィックの処理が良くなった気がします。GPUの排熱を良くしたのもいい影響だったのかもしれませんね。あとはファンの油がどこまで持つかが気になりますね。
自分としては、そろそろ高いスペックのPCを組もうと思っています。お金があれば・・・
今回の分解後の動画
http://www.youtube.com/watch?v=Afp3XFTd4q4&feature=youtu.be
修理したファンのビフォー&アフター
http://www.youtube.com/watch?v=v4IA2WGCz48&feature=youtu.be
さて、こんなところでしょうか。やりたい人はやってみるのもアリだと思います。慎重に無理せずにやりましょう。
自己責任で。
追記:2012年6月現在まで目立った異音再発ナシ
5/12 追記補足です
コメントにあった恐らく「ケーブルロック部分に茶色のロックするプラスチック」であろう部分の拡大です。
ちなみに今のスペックは
CPU : intel core2 duo 1.66GHz
GPU : NVIDIA Ge Force go 7600 (vaioモデル)
メモリ : 1.5Gb
HDD : 60Gb
当時はこの性能で十分足りていました。しかし4年以上経つと、徐々に環境に適応できなくなってきました。特にグラフィックは酷い物で、最近はYoutubeをまともに見れない程になってしまいました。さらにPCファンの油切れや摩耗による騒音や振動が時々酷くなり、まともに使えなくなっていました。
CPUやGPUなどの基幹部品は買い替える以外にどうしようもないので、せめてPCファンの振動騒音だけでも解決しようと思いました。実は以前から、CPUファンの騒音と振動が大きくなる時だけ、さらにグラフィックやCPUの動作が遅くなっているようでした。そしてファンの隙間から軸へミシンオイルを流したりしましたが効果が出ず、仕方ないので思い切ってオーバーホール(機械部品をバラバラに分解して一つ一つ清掃して組み立て直す事。車のエンジンなどで行われる)を実行しました。
工具
精密ドライバー #1・#0 (マイナスドライバー1mmや1.2mmもあるといい)
カッター (テープが張られたコネクタを取る時に使います)
ラジオペンチ (端子を引っこ抜く時に使ったり)
ピンセット
材料
CPUシリコングリス (熱伝導を良くするための専用のグリス)
グリース (普通の油) [万能グリース エーゼット社]
ミシンオイル
ビニールテープ (配線を留めるのに使います)
参照
VGN-SZ series service manual 分解マニュアル
http://tim.id.au/laptops/sony/vgn-sz.pdf [pdf]
印刷しておきましょう。基本的にこの手順で行います。
注意
バックアップも取っておくといいでしょう
ネジをそれぞれ管理する
コネクタを傷つけないようにね
無理矢理は厳禁
空気乾燥させて静電気発生させないように
これ見て分解してPCぶっ壊しても私は責任は取りません。自己責任で
以下、分解マニュアルの手順で写真とともにお届け (ある程度割愛。分解マニュアルを見て行ってください)
これがVGN-SZ53Bです。当時20万くらいでした(´・ω・`)
始める前にバッテリーや電源を抜いて数分置いときます(根拠なし)。
背面のネジを外し、CPUのヒートパイプとシンクを外します。メモリも取っておくといいかも
背面の奥の方にあるネジを外し、キーボードをひっくり返します。マグネシウム合金の筺体が出てきました。
パームレスト(タッチパッドの部分)を外します
HDDやDVDドライブが見えてきました
intelのPROWireless。その名の通りワイヤレスネットワークの部品です。ソフト面で初期不良があり、この前アップデートしたところ何度も接続が切れる異常がなくなりました
PCのモニタも外します
マグネシウム合金の筺体です。マグネシウムと言えば燃やすと強烈な光を発する事で有名ですが、材料として軽く熱伝導性も良いのでアルミニウムや亜鉛などで欠点をカバーしたマグネシウム合金が使われています
HDDを取り、ANLboard(キーボードとモニタの間の操作基盤)を外してこんな状態です。
目的のCPUファンは最後の最後にやっと取り出せます。まずDVDドライブを外します
ちなみに左に見える注射器は安物のCPUシリコングリスです
さて、マザボを外しましょうか
↓ヒートパイプがあるのはGPUですね。パイプの先はGPU側シンクがあります
↓中央にintelのチップセット。右上に目的のファン。左上のはCPUです。下にはメモリスロット二つ
http://farm8.staticflickr.com/7157/6445050823_13f7f7264d_z.jpg
マザボが無くなって・・・
俺のPCがMacBookAirに・・・
ファンはプラスチックの熱処理で留められてるので、カッターか何かで削って上手く外します
結構汚れてますね。
羽を外して水洗いし、大きなホコリを落とし、油も取っておきます。その後乾燥。
軸にグリースを塗った後に試運転。どうやらグリスだけでは粘度が高過ぎるようなのでミシンオイルを加えました。このモータはPC本体からのパルスで制御するのではなく、直流5V以内300mAを送電し、モータ内部の回路でステップ制御を行うようです。
ならし運転です。2時間ほど動作させ、問題がないかどうかも確かめました。
ヒートシンクの方も洗います。水をシュッシュッとするアレの水流を細くしてシンクに当てると結構綺麗にホコリが落ちます。このパソコンにはCPU側とGPU側の大小のシンクが2つあります。CPU側のシンクはよくホコリを取り除いていたのですが、もう一方のGPU側のシンクを全く気にしていませんでした。GPU側シンクのBef and Aft フェルト状態・・・これは冷えないわけだ・・・。綺麗に洗浄しました。こうやって塞がると、排気が逃げるように他の隙間に入り込み、PC内部にホコリが溜まって行くようです。おかげでファン周辺が埃だらけ
机の上の状況。ネジはしっかり管理しましょう
CPU側シンクを付けるとこうなります。狭い部分の構造って芸術的ですよね。機能美が輝きます。
D-sub等のI/O部分やその他部品を清掃した後、今までとは逆の工程で組み立てます
もともとあった配線の黒い固定用テープは一度剥がすとくっつきませんので、ビニールテープで代用します
コネクタの接続忘れやネジ留め忘れに注意して組み立てていき、CPUのシリコングリスを塗り直して取りつけ (この取り付け方法が重要。知らなければ検索)、メモリを付け、背面のフタを閉めます。
おめでたい事にネジは余りませんでした!万歳!
最後に正常な起動と動作、PCファンの動作を確認します。
現在はファンの音がものすごく静かになりました。いいですねぇ
そしてグラフィックの処理が良くなった気がします。GPUの排熱を良くしたのもいい影響だったのかもしれませんね。あとはファンの油がどこまで持つかが気になりますね。
自分としては、そろそろ高いスペックのPCを組もうと思っています。お金があれば・・・
今回の分解後の動画
http://www.youtube.com/watch?v=Afp3XFTd4q4&feature=youtu.be
修理したファンのビフォー&アフター
http://www.youtube.com/watch?v=v4IA2WGCz48&feature=youtu.be
さて、こんなところでしょうか。やりたい人はやってみるのもアリだと思います。慎重に無理せずにやりましょう。
自己責任で。
追記:2012年6月現在まで目立った異音再発ナシ
5/12 追記補足です
コメントにあった恐らく「ケーブルロック部分に茶色のロックするプラスチック」であろう部分の拡大です。